中国は大連の留学生寮の食堂に、一台のアップライトピアノがありました
きっと ハロウィンなどの留学生たちが集まって大パーティーを開く日には
かき鳴らされることもあるかもしれないそのピアノも
日頃はただそこにじっと座って 誰に触られるでもなく
うっすらと埃をかぶって
学生たちの食事の様子をじっと見守っていました
さて 学生たちの旧正月休暇に学生寮も閑散とし
氷点下10℃の寒さに閉じ込められて
一人本にふけって過ごしていたそんなある2月の日
ふと
「そうだ あのピアノ 誰も弾かないのなら弾かせて貰えないかしら?」
と思い
私は階下の食堂へと降りていきました
案の定 3人のコックさんたちも暇をもてあましていたようで
ピアノを弾かせて欲しいという私の申し出に
快く・・・どころか わらわらと見物に集まってくる始末です
「音楽は言葉を超えるのダ! よし ここで みんなが知っている曲を弾くべし」
などと知った風に
私は ささやかな
聴衆にリクエストを募りました
次々とリクエストされる曲を 弾いては皆で歌いましたが
・・・あっという間にネタ切れ・・・
如何せん 私が中国の曲を数曲しか知らないのですから
しかし
ならば! とばかり
今度は
お客さまに日本の歌をリクエストさせてみることに・・・
すると これは日本の歌のはずだと
一番歌の好きそうな
歌い手さんが中国語のタイトルを私に教えてきました
でも、タイトルからは何の曲だか、私には分かりません
そこで、私に教えようと、彼はサビを歌いだしました
それは
THE BOOMの「島唄」
でした
この曲は海を越えて大陸で中国語にカバーされ
学生寮のコックさんたちも知っている名曲となっていたのです
この曲を 日中言語入り乱れて大(?)合唱をしたその瞬間・・・
私にとって、音楽が国境を越えました・・・
その後 期せずしてTHE BOOMが所属する事務所に就職し
権利・契約に従事することになりました
そして初めて著作権という音楽の権利を知りました
あの寮食堂で中国人たちと歌った曲が
著作権において色々な利用をされていることを
そこで知ったのです
素晴らしい曲を守り 活用するための著作権や
音楽に限らず
思想を産業全体に役立てていくための知的財産権を扱う職業に就き
携わっていけることは
私たちにとって大いなる幸運であり
誇りをもって業務を行っています
ループホールは 知的創造物を 単なる無体財産権としてではなく
尊重し どのような想いでこれを作ったのかを類推しながら
その想いに柔軟かつ的確に応えていける業務を提供する会社であり続けるよう
努力する所存です
もしもエンターテイメントの知的財産権のことで気になることがありましたら
ぜひ私たちにご連絡下さい
必ず 誠意と誇りをもって対応致しますので・・・
代表取締役 弁理士 城田晴栄
城田晴栄 プロフィール |
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城田晴栄 (しろた はるえ)
株式会社ループホール代表取締役
弁理士
大阪音楽大学特任准教授
図書館司書資格保有
デジタルアーキビスト
AIPE認定知的財産アナリスト(特許/コンテンツ)
2級知的財産管理技能士
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【略歴】
高知県出身
学習院大学経済学部経済学科卒業
大学卒業後、アーティスト「THE BOOM」の所属事務所ファイブ・ディー株式会社に入社
法務・権利管理担当として、作詞家、作曲家、アーティストの権利実務に携わる
音楽出版社・プロダクション・レーベルの法務・契約実務に従事し、併せて、自社以外の音楽出版権の管理代行業務にも従事する
著作権管理事業者である㈱ジャパン・ライツ・クリアランス立ち上げに際し、設立のための法務ワーキンググループに参加
制作現場においては、2004年、2005年と中国におけるコンサートをディレクターとして実施
2008年 株式会社ループホール設立 代表取締役就任
現在、約60社の音楽出版管理代行及び約25社の知的財産に関するコンサルティング顧問、商標権実務をおこなっている
また、数少ない音楽著作権を得意とする弁理士として、公的機関・企業・教育機 関向けの知的財産に関するセミナーを随時おこなっている
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